連休初日は大快晴。

本日、ヨゾラ舎、11:00〜19:00まで営業いたします。

今年最後の3連休の初日、今日も朝から澄み渡った青空が広がる大快晴です。寒さも控えめで、絶好のお出かけ日和です。町歩きに散策や観光、そして様々なイベントなど、存分に楽しめそうです。錦秋の京都もまだまだ満喫ます。

そんな週末からの連休ですが、お楽しみの一環の端の端の端にでも付け加えていただき、よろしければ、道中、ちょっと寄り道していただきお立ち寄り下さいませ。今日は通常通り19時までしっかり営業させていただきますので、よろしくお願いいたします。

昨日もほぼ終日好天で、日中は寒さ控えめの穏やかな一日でした。連日、冷たく悲しいほどの寒風が吹きすさぶ店は、大胆にも17時30分閉店の短縮営業とさせていただきました。(まあ、大勢に影響はないと開き直りつつも、「いいのか、それで?」と自問自答する。−昨日はいいんです。僕にとっては大切な用件があったのです。−)

そんなヨゾラ舎ですが、昨日は開店直後の午前中に、いつもお世話になってますレティシア書房さんとHiFiCafeさんにお立ち寄りいただき、助けていただきました。それぞれの方と、そしてお二方を交えて、お店のことや、イベントのことなどなど色々とお話を。御両店様、いつもありがとうございます。午後からは、時折、ご近所のご親戚をお訪ねになられた際に、お立ち寄りいただいてます方が。岩倉のご自宅のあたりの新刊書店が閉店し、ご近所には書店がなくなったそうです。新刊書店の数は相変わらず(大型のチェーン店の一部を除き)減り続けているようです。新刊書店のファンとしては寂しく、また身につまされる話ではあります。夕方には、ずっと何かとお世話になっている方にご来店いただき、音楽のお話などを少し。(この方にはレコードの委託もお願いしています。)

皆様のご来店とご協力に御礼申しあげます。

1時間半と言えども、閉店時間が早まると、すぐに営業終了時になったように感じた。(しかし外はすでに陽が落ち、暗くなっている。)あまり作業も進まないまま、掃除や後片付けをさっと済まし、少しうしろめたさも感じつつ?18時すぎに店を出る。いつもと違い河原町丸太町のバス停に向かう。
そのバス停で、当店に何度かご来店いただいてます方と出会い、以降、道中をともにさせていただきました。(目的地が同じなのです。)

白状してしまうと?昨日はガケ書房さんで行われた早川義夫さんのトーク&ライヴのイベントに行ったのです。

元ミュージシャン(その、今や日本のロック史上のレジェンドであるバンド名は皆様ご存じと思います。)その後、20数年の新刊書店である早川書店の経営を経て、再び音楽活動を再開され、以降、現在も音楽制作やライヴを続け、素敵な楽曲を創り続けておられます。そして、エッセイなどのいくつかの著作もあり、その飾らない言葉、文章で人気があります。(近著は今年8月に出た「生きがいは愛しあうことだけ」ちくま文庫ー文庫オリジナルー)当店でも早川さんの本は定番アイテムです。

その著作には今も読み継がれる名著(特に本や本や好きは必読です。いつ読んでも、今読んでも全く色あせず面白いです。)、「ぼくは本屋のおやじさん」(晶文社刊、現在はちくま文庫に増補収録ありでおさめられれています。)に当時のことがありのままに綴られていますが、今回、ご自身がその当時のことを語られると言う、なかなか稀有な機会なので、音楽も本屋も大好きな僕にとっては、またとない貴重なイベントなのです。(と言うわけで、店の営業を短縮させていただきました。ご了承くださいませ。)

河原町丸太町から銀閣寺道までバスで行き、まだイベントまで時間があったので、まずは、すっかりご無沙汰してしまっている善行堂さんに。ご挨拶と少しお話を。「BOOK 5」の最新号を購入。(盛林堂ミステリアス文庫の新刊には手が出ず。次週お伺いします。)

白川通りを北上し、19時前にガケ書房に到着。まだ中ではリハ中。しばらく待って19時過ぎに入店。ガケ書房さんの店内の本を見たり、早川さんの本を見たり。早川さんの文庫を購入。

そうこうするううちに、19時が過ぎ、まずは1部のトークがスタート。会場のスペースはさすがに満席で、年齢層はやや高めのお客さんが見守るなか、早川さんご登場。失礼ながら、一見、わりと町によくいる、ごく普通の気さくなおじさん風(実際、僕の知り合いによく似た方がおられます。)ですが、光沢のあるピンクのシャツや眼鏡がオシャレです。トークガケ書房の店長の山下さんとの対談、質問形式で進む。印象通り気さくで飾らない話ぶりで、書店時代の様々な出来事、エピソードや当時の心情、思いが語られていきます。当時の悩みや葛藤、時には怒りなどもストレートに、しかしユーモアも交えながら話され、新刊書店の仕事や経営の大変さが垣間見れるお話が次々と。(山下さんのお話とのなかで、当時のお店と今の業界の事情の違い、ギャップに驚かれていたり、ご自身の仕事に対する姿勢や性格もうかがえる興味深いお話も多々ありましたが、やはり以前も現在も、出版社や取次など書店を取り巻くシステムや体質はそう大きくは変わっておらず、あらためて(特に個人経営の)書店さんの経営は大変さが感じられました。そんな中でも心に残る、心に沁みる良いお話や言葉もたくさん聞かれました。僕は古本屋なので新刊書店とは色々な面で異なりますが(もちろん規模も)、小売業、接客業という面で共感できる部分も少なからずありました。今後、書店を開く予定という方との質疑応答や以前のバンドのことなどの話も少し交えながら、約1時間のトークは終了。興味深く、面白いお話とともに早川さんの人柄が偲ばれる内容でした。(今や日本のロックのレジェンドとなっているバンドも、現役で活動されていた当時はまったくの知名度がなく、売れなかったことが解散の原因だったというお話ーレジェンド的な扱いはすべて後付けだった?−はなかなか切実ですが、今は早川さんご自身は当時のこともフラットに語られているように思います。すべて周囲からの観点だとしても、強力なバンドや当時のキャラクター・イメージーカリスマ性ーなどからの脱却は容易ではなかったかと勝手な想像をついついしがちですが。)とにかくご自身の語りで書店時代のお話が聞けたことがよかったと思います。

少しの休憩をはさんで、第2部のライヴが。まずはあの名曲「サルビアの花」から。(この大好きな曲を一曲目にナマで聴けるなんて!)その後、アンコールを含め、約1時間10分ほど、新旧の曲を取り混ぜた、ピアノの引き語りでのライヴでした。力強い歌とシンプルだけど歌に寄りそうようなピアノは詩と曲の良さがさらに際立ち、早川さんがずっとほんとうに素晴らしいソングライターだと言うことを今さらながらですが、痛感しました。ストレートな言葉でロマンティックにセンシブルに綴られた詩と美しいメロディーが、体を上下左右に揺り動かし、足でリズムを刻みながら(ストンピング)のアグレッシヴな演奏と相まって(時に情念を感じさせ)聴くものを引き付けて止まないものとなっていました。音楽でやり残すことがないようにと、再び音楽の世界に戻った早川さんのたましいが感じられる素敵はライヴでした。(余談ですが、これが僕が今年最初に見た!−そして、今年最後の?− ライヴなのでした)

終了予定の21時30分を過ぎて本編はすべて終了。その後、サイン会となり、しっかりと本にサイン(と握手も)していただき、22時ころにガケ書房さんを出る。
(サインしていただいている時、強引に?店のポストカードをお渡ししてしまいました。しかし、サインをしていただいている最中に「店でも本、売らせていただいてます。(古本だけど。ーこれは心の声です。)」と言ってしまい、ー本当は「当店でも早川さんの本、よく売れています。(まあ、古本でですがーこれも心の声です。−)」が正しいのだけど。− 何だか今、サインしていただいている本を店で売り払うように誤解されてしまったかも?ああっ、早川さん、このサイン本は売ったりしません、宝物にします。そしてよろしければ、いつの日かご来店頂けましたら幸いです。)

とにかくトーク、ライヴとも楽しく、サインもいただけてチケット代以上の大満足なイベントでした。(藤原マキさんのイラストがステキな早川書店のブックカバーの復刻版やガケ書房さんの500円の商品券もいただきました。)

一緒に行っていただき、色々とお話をさせていただいたAさん(ありがとうございました。そう言えば、サインの時、早川さんに声をかけられていました。実は僕とは親子ほど(それ以上?)は年の違う、若くて可愛い女子だったのです。当店でも早川さんの本をお買い上げ頂いており、大の早川さんのファンでこのイベントをとても楽しみにしていたAさんにとっても大満足のイベントだったでしょう。)とバス停でお別れし、四条河原町まで行く。四条河原町界隈の店でかなり遅い夕食を済ませ(この店、22時以降は10%の割り増し料金だった。しまった・・・。)、帰宅。

帰宅後、今日手持ちするCD BOXを準備。心地よい疲れから、あとは即、就寝。


今日はずっと穏やかな快晴が続いている。寒さも控えめなことから、店の前の通りも、いつもよりは人通りがある。しかし、店は・・・。いつもの、キケンな土曜日そのものだ。(当店にとって土曜日はこのところ、もう、まったくもって振るわない危険な曜日なのです。)どうやら連休なぞ、やはりまるで関係ないようだ。

皆様、御所の樹々は紅葉真っ盛りで、見事に美しく色づいているようです。(先ほどお越しになったお客様が仰っていました。)御所で紅葉を堪能されたあとにでも、よろしければ、お立ち寄りくださいませ。陽が暮れると紅葉も見辛いですが(ライトアップされてたりして?)、当店は今日は通常通り19時まで営業させていただいておりますので、お帰りにでもせひ、どうぞ。お待ちいたしております。


ああ〜、今日はかなり長くなったな〜。昨日のイベントのことは、これでもまだ書き足りないけど、締めくくりに昨日のイベントのなかでの心に残ったことのなかから、「何気ない日常こそが一番、素晴らしい。」という文言を記して今日は終わりにしておきます。